カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2023/05/09

こんやも寒い

寒暖差の激しい数日。老体には堪える。

午前中は草刈り。田舎生活には欠かせない家の周りの草刈り。よく伸びるものだと自嘲的に感心してしまう。

午後は少し休養が欲しいのでそれを兼ねて読書にした。

 

こんな本を読んでいる。作家石牟礼道子の理解のための書。敬愛する渡辺京二の著作。

弦書房刊 2013年初版

「もうひとつのこの世」 石牟礼道子の宇宙

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2023/04/11

「瞽女の世界を旅する」を読んでいる

瞽女、これはごぜと読む。

昭和の時代に滅んでしまった盲目の旅芸人たち。

平凡社新書10242023年3月15日初版 大山眞人著

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昭和52年から58年の間にこの作者は瞽女さんの本を3冊を上梓している。

すべて発売直後に購入した私には大切な本だ。再び瞽女さんを想うが、大山眞人の著作の中でしか瞽女さんはいない。

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2023/03/07

お遍路さんのことが書かれた本を読んでいる

私は四国の山中が生地で、家業は番外札所の管理維持と遍路宿もしていた。

たまたま、新刊書を書店で見つけて買うた。

懐かしさはない。それ以上の恐怖感にものごころついた時から支配されている。

この本を読みながら彷徨う人を見続けた少年時代の感性が今の私だと思う。

おへんろさん、おしこくさん、へんど、どへんどと巡礼者にはそんな呼び名が、それぞれの人の関わり方で用いられていた。

接する人によりずいぶん違うことを不思議に感じていたことが、この本を読み進めるうちに解ってきた。

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「四国辺土 幻の草遍路と路地巡礼」

2021年11月26日初版  株式会社KADOKAWA刊

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2023/02/13

うつろ舟

敬愛する文学者澁澤龍彦の作品でしか知らなかった。

史実としてはあやふやだが、うつろ舟は茨城県の海岸への漂着の話がとてもロマンチックだ。

こんな小冊子が届いたので、数日前に会場に行ってきた。

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仕事ではお世話になっている銀行の文化事業の建物が会場だった。

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私の蔵書から、澁澤龍彦著 「うつろ舟」 1986年6月16日初版 (株)福武書店刊

活字は緑色で限りなく広がる想像に満ちた小説によく合う。球体幻想というのがこの作品なのかと思える。

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2022/12/27

渡辺京二さん死去の記事

昨日(26日)の東京新聞の記事から。

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尊敬する文筆家で、「知の巨人」とは彼のためにある言葉だ。

私は作家石牟礼道子の伝記を読み、係わり方がすごい人だと思った。さらに彼女が病気で死ぬまで支え続けた人なのだ。

彼女に「苦海浄土」を書かせて世に送り出した人だと思う。

水俣病の原因企業である日本窒素肥料水俣工場の正門前に、企業責任を追及し、抗議の座り込みを始めた最初の二人のうちの一人だ。

 

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若き日の渡辺京二さん。

その本の写真から。

新潮文庫  「評伝 石牟礼道子 渚に立つ人」より 

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私の手持ちの本より。

渡辺京二著 「逝きし世の面影」 2005年9月9日 初版 平凡社ライブラリー552

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興味の尽きない北一輝という人物を私の感性に限りなく近づけて、解釈をくれる魔法のような書籍だ。

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2022/11/12

サガレン

梯久美子著「サガレン」2029年初版 角川書店

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仕事の合間に、小春日和の気持ちのいい陽を背中にもらい読み進めている。

彼女はとても精緻で繊細なノンフィクション作家だ。

私が、なぜサガレンなのか。

 

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2022/10/22

丘の上古本市

近所の公園で古本市がおこなわれていたので開店早々に行く。

クラフト市がメインのようで古本屋のブースの規模は小さいものだが、この3冊は読みたい。私を待っていた書だ。

どれも30年から40年前の初版。迷うことなく買うた。

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「犬の記憶 終章」 大山大道著 朝日新聞社 1998年刊

「異端の肖像」 澁澤龍彦著 河出文庫 昭和58年刊

「幻視者たち」 巌谷國士著 河出書房新社 昭和51年刊

特に「幻視者たち」は装丁が野中ユリで、彼女の作品として本そのものを鑑賞してしまう。美しい本だ。

最後の1ページに「メリュジーヌ考」のためのコラージュという一葉の彼女の画がある。

若いころ読んだ「ユリイカ」「現代詩手帖」そして「パイディア」に掲載されていた巌谷國士の評論が集成されて単行本に仕上がっている。
発刊当時の私は若くて、貧しく買うことは出来なかった。陶芸修行中で書店で立ち読みをしたのが思い出される。

この本にふたたび出会えたことに、わが知力を少し信じて、さらに生き延びたい。

 

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2022/08/31

安彦良和の著作を読んでいる

「虹色のトロツキー」の作者。

とてもいい物語であった。その作者の著。

弘前大学での全共闘の闘争に深い関心がある。

その元締めのような人が安彦良和。

「革命とサブカル」2018年10月31日初版第1刷 株式会社言視舎刊

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もうあの世に旅立ってしまった畏友陶芸家吉村利美は同時期に弘前大学で学んでいた。

酒を呑んだり、仕事も1年は一緒にしたが弘前大学でのことは何も語らなかった。

北の地方大学の小さなキャンパスではあったが、最近弘前大学の1970年当時の学園闘争の記録が出版されている。

これらを読み解きながら畏友の青春に想いを馳せている。

 

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2022/08/28

夏の終わりに

強い雨で目覚めた。

昨夜までの暑さは記憶違いだったのかと、自分の記憶力に自信を無くするようなきょうの気温。

夜になり肌寒さを感じる。気温のこの激変には健康への不安を感じる。

こんやこの本を読みながら眠りに落ちたい。

佐木隆三著 2009年11月10日第1刷 文春文庫 「復讐するは我にあり」

昭和30年後半にあった「西口彰連続殺人事件」を題材に小説化したもので、私の興味は西口彰逮捕への道筋をつけた教誨師古川泰龍師にある。

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2022/08/12

姐さん、お務めご苦労さんでした

あの時代の私たちが愛した任侠映画のセリフが記憶の彼方から出てきた。

朝から強風で時々雨、来るべき台風の予兆の天気で南風は熱い。

ろくろ制作が仕事の日だったが、合間に重信房子さんの歌集を読んでいる。

短歌集なので一首ごとにゆっくり状況とそれへの想いが広がる。

歌集 暁の星  重信房子著 株式会社晧星社 2022年5月30日 初版

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彼女は20年の刑期を5月28日に終えたので、それに合わせて刊行された本だ。

同年配として感性のみずみずしさに励まされている。

父への想いの歌もあり、思わず泣けてしまった。父の気持ちがよく解る。

1968年御茶ノ水の街頭で彼女と同じ空気の下でいることのできた時間は私の生き方の基本になっている。

 

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